ジョン・グールド「ハチドリ科鳥類図譜」より
ウスグロハチドリ Sombre Hummingbird, Aphantochroa cirrhochloris
作:
|
John Gould ジョン・グールド(1804-1881,英国)
|
原典:
|
ハチドリ科鳥類図譜『Book of Hummingbirds 』(1849-61年)ロンドン,初版
|
手法:
|
手彩色石版画
|
シート寸法:
|
インペリアル・フォリオ判
約54.5 * 36.2cm
|
額縁:
|
アンティーク調の木製額 (額縁つきのお値段です)
*額装部材は新品です
|
外寸法:
|
額装後は、およそ76*55cmくらいになると予想されます。
お選びになる額装によって異なります。
|
ハチドリ科ウスグロハチドリ(Sombre Hummingbird)
最も人気のある「バナナフラワー」とともに描かれた一枚。
「ハチドリ科鳥類図譜」からの作品です。
南アメリカ、主にブラジルに生息するハチドリとのこと。南米らしく明るく大胆に、いきいきと描かれています。
このような大きな構図のものは世界的にたいへん人気があり、価格もぐんと高くなります。
さらに、「バナナフラワー (the flowers of BANANA)」というのもたいへん大きなポイントになります。
バナナフラワーとハチドリの組み合わせは、欧米で非常に人気があり、高く取引されています。
王族しか食べたことのない、憧れの果物であったバナナ。
ハチドリの生息する未知の国アメリカ大陸。
そんな昔のヨーロッパ人の夢と憧れを叶えたような、とっておきの一枚です。
シミや汚れはほとんどなく、大変状態のいいものです(160年ほど前の版画原本ですので、多少の汚れ等はあるかと存じますが、本物のアンティーク版画の味わいとしてお考えください)。
ジョン・グールドとは
1804-81年イギリス。鳥類学者、鳥類画家の歴史的な第一人者です。写真のないこの時代、石版画の驚愕の技術で鳥類を美しく描き、鳥の研究に寄与しました。
ダーウィン「種の起源」のもとになったグールドの研究
学術的にはなんといっても、ダーウィンとともに研究をすすめ、「種の起源」執筆に大きな影響を与えたことが大きいでしょう。
ダーウィンがガラパゴス諸島で発見した鳥の特徴にグールドが気づき、それがあの「種の起源」構想のもととなったのです。グールドがいなかったら、ダーウィンの「種の起源」もなかったかもしれません。
そしてグールドは鳥の研究に、世界各地をまわります。当時は未開の地であったヒマラヤの鳥を求めて赴いた成果が「ヒマラヤ山脈百鳥類図譜」(1832年)、同じく未知の世界であったオーストラリア大陸に渡りつくりあげたのが「オーストラリア鳥類図譜」(1848年)。
同じく未知の大陸であったアメリカ。アメリカ大陸にしか生息しない鳥であるハチドリには大きな興味を示し、「ハチドリ科鳥類図譜」(1861年)を完成させます(この作品は、そのうちの一枚です)。
こういった過程でグールドはたくさんの新種を発見します。科学者として鳥類学に残した功績は、はかりしれません。
博物画史上、最も美しく繊細な鳥類図譜
そしてまた、50年以上にわたって制作され続けた図鑑中の鳥の絵は、美しい石版画作品として、芸術的にも高い評価を受けています。
グールドの鳥類図譜制作は、妻のエリザベスと二人三脚で始まりました。グールドがスケッチしたものを、奥さんが石版画におこすという方法です。
妻エリザベスは芸術的才能に優れた人で、質の高い石版画を仕上げました。グールドの鳥類図譜がただの科学的な図鑑にとどまらず、芸術的に美しいのは、この奥さんのおかげだといわれています。彼女は涙ながらに乳児を親類に預け、夫グールドについて世界を航海し、オーストラリアにまでも同行しています。
鳥類は、とくに南国のトロピカルな鳥になりますと、色彩が派手で華やかになります。玉虫のような光彩があったり、金箔のような金属色があったり、それを手彩色石版画で見事に表現しています。
当時、科学者とは関係のない貴族のあいだでもその絵の美しさは評判となり、図譜をコレクションする人々が多く生まれました。
現代でもグールドの鳥の絵は、たいへんな人気があります。
実際の作品を目にしますと、その大きさ、色彩の美しさに圧倒されます。
なぜ大きいかといいますと、グールドは鳥を実物大で描こうとしたからなのですね。
よって、大型の鳥類ほど画面いっぱいに描かれています。
まるで鳥の息づかいが聞こえてくるかのような、羽の感触が伝わってくるかのような、いきいきとした躍動感に満ちあふれています。
日本の皇室とのゆかり
わが国では、ご結婚前の紀宮さまがご勤務先の山階鳥類研究所にて、グールドの鳥類図譜を研究なさっていたことでも知られています。
ご著書も出版されています。
紀宮清子著「ジョン・グールド鳥類図譜総覧」2005年
天皇皇后両陛下はじめ秋篠宮家の方々も、グールドの展覧会をご覧になっています。
ハチドリ科鳥類図譜とは
グールドが40代後半から50代はじめにかけて手がけた図譜です。
奥さんのエリザベスは死去し、代わって才能あふれる職人リヒターが製版を手がけたもの。シートの左下には、ヘンリー・コンスタンティン・リヒターの名が入っています。
グールドといえばハチドリ、と思い浮かべる人も多いようです。数ある鳥類のなかでも、グールドはハチドリにはとくに力を注ぎました。
ハチドリは花の蜜が主食だというところがなんともロマンチック。グールドはハチドリの背景に、ほとんど花を入れています。澄んだ青空に、花に鳥。
心穏やかになる、自然の美しい構図です。
欧米では、ハチドリは幸せをもたらす「喜びの鳥」といわれています。
当店で販売するグールド作品について
グールド作品には、現代になってから着色された「モダン・カラーリング」 または「レイター・カラーリング」と呼ばれる安価なものがありますが、それではありません。「モダン・カラーリング/レイター・カラーリング」とは、現代まで捨てられずに残っていた石版を使って白黒で刷り、あとから色をつけたものです。
その場合は、価格は半値以下になります。
当店でご提供する作品はどれも、とても貴重な、19世紀に制作されたオリジナル手彩色石版画です。
稀少なチャンスです。
ぜひこの機会にお求めください。
額装つき、税込み、送料込みのお値段で、お買い得です。
額装は、お客様のご希望に合わせた仕様で承ります。
額装の仕様が決まってから、およそ一週間での発送(出荷)となります。
お届け日のご相談承ります。ご要望お気軽にお知らせくださいませ。
*こちらの商品は、「送料無料」でお届けします。
|