1. 天使のアルファベットとは
カードをイベントごとに送りあう習慣は英国ヴィクトリア時代に生まれ、ヨーロッパじゅうに広まりました。
天使のアルファベットは、そのカードのひとつです。 エリン・クラップサドルという女流作家が描いたものです。かわいらしく美しい絵は、当時たいへんな人気を呼びました。
それを復刻化、美しい複製画にすることがこのたび叶いました。 お部屋に飾って、映画に出てくるような古き良きヨーロッパの雰囲気を味わうことができます。
2. なんともいえない可愛らしさ 幸せを運んでくれる天使たち
|
|
ピンク色に染まったぷっくりとした頬、ちょこんとした小さな唇、
やさしさに満ちたまなざしなどなど、どこをとっても可愛らしさがあふれている天使たち。
この天使の愛らしさは、他の作家のものとは似て非なるものです。
さらに構図のすばらしさ、細部にまで手を抜かない緻密な背景、
今にも動き出しそうな躍動感など、クラップサドルのセンスと画力が小さなカードのなかに詰まっています。
100年前の女性たちが大好きになるのも納得できますね。
|
|
3. 天使はどのように描かれたか
おもに1904〜1910年ごろ、米国出身の女流作家エレン・クラップサドルによって描かれました。
クラップサドルの描いた絵を、
ドイツの製作所がクロモリトグラフという多色刷り石版画でカードにしました。 クロモリトグラフは、当時の最先端の印刷技術です。 非常に手間がかかりますが、発色が素晴らしく、細密に刷ることができます。
そのようにして丹精こめて作られたカードは、当時のヨーロッパやアメリカの上流階級の夫人にまたたくまに広がりました。当時は、ヨーロッパの人々のあいだで、カードを交換することが流行っていたのです。 クラップサドルの描くカードはとりわけかわいらしく、抜群に人気があったのでした。
しかし、第一次世界大戦で状況は変わります。
1914年にベルリンが爆撃を受けると、ほとんどの印刷所が破壊されました。 クロモリトグラフのカード自体が制作されなくなります。クラップサドルの原画も、ほとんどすべてが灰となりました。
4. 世界初の完全復刻版が完成
第一次大戦で、幻と化してしまった天使のアルファベット。
そもそも、保管、鑑賞目的の美術作品とは違い、使い捨てられてしまうのがグリーティング・カードです。 後世まで残されること自体が、難しいのです。
天使のアルファベットカードも例外ではなく、現在まで残っているものは稀少です。
それでも、この天使のアルファベットの魅力は多くの人の心に刻まれており、多くの人がこの作品の復刻を試みました。 しかし、アルファベット26文字はなかなか揃いません。
今まで、欧米で制作されてきたこのシリーズの複製カードも、26文字揃っていなかったり、元のものとは異なる画像を勝手に作成したりして26文字にしたものばかりでした。
しかし、ついに日本の会社「コノサーズ・コレクション東京」が、このシリーズの完全オリジナルセットを揃えることに成功しました。
そして、元の100年前のカードにあった、書き込みやキズ、折り目などを職人技で完全に修復し、元の美しいカードへと復活させました。ここまで完成度の高い26文字セットは世界に類をみません。
よって、この天使のアルファベットカード26文字セットは、コノサーズ・コレクション東京に著作権があります。
コノサーズ・コレクション東京ご協力のもと、当店では額装品にしてようやくみなさまにご提供できるようになりました。
5. 元のカードを忠実に再現
「愛の天使アルファベット」は、解像度の高い画像データを用いて、ジークレー版画の手法で制作しています。
ジークレー版画とは画像をデジタル化して制作する非常に緻密な版画で、デジタル・リトグラフとも呼ばれています。
元の画像を再現するのに、現在最も適している版画技法と言われています。
それゆえ、天使のふっくらした頬ややわらかい目の輝きを、美しく再現できているのです。
6. アンティーク家具と相性抜群
かわいらしい天使はどんなインテリアともマッチしますが、とくにヨーロッパのクラシックスタイルとは相性ぴったりです。
「愛の天使アルファベット」が流行したのは、英国ではヴィクトリア時代が終わり、エドワード7世時代に入ったころのことです。
そのころ(1900年代初頭)の家具様式は、クイーンアンやチッペンデールなど、現代の日本でも高い人気があります。アンティークでお持ちの方も多いでしょう。 そういった家具との相性はぴったりです。
英国アンティークの家具は、ともすれば重たく暗くなりがちです。天使の絵をインテリアアクセサリーとして加えることで、品のよい明るさと温かみが加わります。
|